盛岡のCafeJazz 開運橋のジョニー 照井顕(てるい けん)

Cafe Jazz 開運橋のジョニー
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盛岡市開運橋通5-9-4F
(開運橋際・MKビル)
TEL/FAX:019-656-8220
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幸遊記NO.569 「花坂吉兵衛の相撲講本」2021.12.12.盛岡タイムス
 「穐吉敏子ジャズミュージアムに、役立つかも?。双葉山(穐吉定次)が盛岡に来たこと知ってるか?」とOさんからの電話だった。後日、彼が最近見つけたという「ああ青春、盛岡第一高等学校白亜外史」(毎日新聞盛岡支局)昭和53(1978)年本の中から、その部分をコピーしてくれた。嬉し!
 「戦後まだ間もない頃、人々は娯楽に飢えていた。双葉山の一行が興行相撲。現教育会館あたり、一代の名横綱を一目見ようと黒山の人だかり。だが彼以上に観衆の視線を集めたのは、土俵上で双葉山と四つに組んだ小柄な男だった!」と。その不世出の大横綱(時津風親方)は、男に対しこう言ったという。「先生の胸を借りて稽古したいものです」。その言葉は男にとって生涯忘れられぬ思い出となった。
 男とは宮古出身花坂吉兵衛(1898~1967)。旧制盛岡中学校相撲部から大正6年角界入り、同15年幕下二枚目で引退し、海軍兵学校相撲教員兼参考図書館勤務を経て、昭和10年(1935)「相撲講本」を刊行。(医学博士・軍医・広島県高田郡可愛村“現・安芸高田市”出身の枡岡智・共著・岩手県立図書館蔵)それによれば、相撲道48手中「忍」の一手に勝つものなき定説。心技体の一致「心を修め、気を養い、体を斎(ととのえ)る」。これが国民精神たる相撲道(国技)の最高指導原理であると。昔から、口伝、伝承あるが、学問的成書が皆無だったことからの資料収集調査研究は、時の内務大臣・後藤文夫氏にして「その苦心の跡歴然たるを観る」であった。
 「古代人類発達史から見ると、体育方法として見られるのはエジプトの角力と球遊び絵。アジア・ニネーベの角力壁画。ペルシャ、ギリシャの武を練る基礎教育。蒙古の形式」など。さて日本は、、、、と。ここで思い浮かぶはペリー日本来航上陸時・米俵両手に一個ずつ持ち運ぶ力士たちの図であるが、奈良時代に相撲作法が定められ、その目的は天下泰平穀物成就の祭典に相撲を取らせた。それは角力の二字が悪事の端をなすとの理由から「相撲」の字、いわゆる「神相撲方式」勝負終われば互いに礼を以って退き、遺恨なきことを示さなければならんと。
 それこそ大横綱・白鵬が破竹の63連勝した2011年、引退の今年2021年、再び注目浴びたのは、第35代横綱・双葉山(穐吉敏子さんの親戚)。勝つためにだけを目的とした手段を一切用いぬ求道・泰然如木鶏での69連勝。70連勝を阻まれた安芸の海には、その後、引退までの5年間1度も負けたことはく、千秋(穐)楽はほとんどが白星であった。



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